化学肥料を見直しても、収量が安定した?トマト農家が感じた実話

「肥料を減らしたのに、今年のほうが実の張りがいいんだよなぁ。」

収穫を終えた倉庫で、あるベテラン農家がぽつりと言った。

化学肥料を減らすというのは、本来かなりの覚悟がいる。
樹勢が落ちるかもしれない、花が落ちるかもしれない、味が乱れるかもしれない。
そんな予感が先に立つのは、農家なら誰でも分かることだ。

それでも、収量は大きく落ちることなく推移した。

果実の締まりも味の濃さも揺らがない。
この“逆転現象”を追っていくと、ひとつの共通点に行き着く。

根が、例年以上に強かった。

化学肥料を見直しても生育が安定していた背景には、

肥料そのものより、
「根が吸える状態を保てていたかどうか」
という一点にあった。

そして、その“吸える根”づくりを静かに支えていたのが、
天然由来のシリカ(ケイ素)である。

目次

■ 根のコンディションこそ、収量の“本丸”だった

農研機構(NARO)などの資料でも、

根の通気性と養分吸収の関係が指摘されている。

根が吸えない状態が続くと、土の中には使われなかった肥料が蓄積し、
EC(肥料濃度の指標)が上昇する。
ECが高いほど根は“しみるようなストレス”を受け、生育は乱れやすくなる。

つまり
肥料が多い=よく育つ
ではない。

むしろ、根が健全に動いているときは少ない肥料でも無理なく吸収され、
茎も葉も流れるように育っていく。

この“根の健全性”を左右するのが、細胞壁の強さだ。

■ シリカが細胞壁を補強し、根が“止まらない状態”を支える

オーストラリアの CSIRO が行ったストレス生理学の研究では、
細胞壁の強い根は高温や過湿でも潰れにくいことが報告されている。

また国際分子科学誌(IJMS)では、
シリカが細胞壁に沈着し、外側から細胞を支える働きが明確に示されている。

日本の大学の根圏環境研究でも、
シリカ施用で根の“細胞の崩れ”が抑えられ、
高温・乾燥・過湿のいずれでも分裂組織が守られるという。

細胞構造が安定していることは、

高温や湿気の多い条件下での生育を考える上で重要とされている。

肥料を減らした年に樹勢が乱れなかった理由は、この細胞レベルの踏ん張りにある。

■ 根の量が増え、肥料の“歩留まり”が上がる

海外の研究では、

シリカ施用と根の生育状態に関する報告がなされている。

根の量や広がりは、

養分吸収を考える上で重要な要素の一つとされている。

米国 USDA の根研究でも、
細胞壁が安定した根は伸長速度が維持され、栄養吸収量が落ちにくいとされている。

加えて、もみ殻由来シリカは多孔質であり、
日本の土壌物理の研究でも、団粒化や通気性の改善に寄与することが明らかだ。

空気の道が増え、酸素が供給され、根がよく動く。
その積み重ねが、肥料を減らしても生育が落ちない理由のひとつになる。

■ 葉が“疲れない”から、肥料がしっかり実になる

根の動きが止まらないと、次に安定するのは葉の働きだ。

オランダの WUR(ワーゲニンゲン大学)の園芸研究では、
葉の光合成が落ちる一番の要因は、
細胞壁の弱りによる光・熱ダメージだとされている。

葉の構造とシリカの関係についても、

研究の中で検討が進められている。

その結果、

  • 光合成が乱れず
  • 吸い上げた肥料を“実”に変える働きが続き
  • 樹勢が後半まで保たれる

生育後半まで葉の状態が保たれることは、

収量の安定を考える一因になる。

■ 現場では、こんな変化が起きている

シリカを使い、肥料を減らした農家の声を並べると、どれも似ている。

  • 「根の白さが全然違う」
  • 「夏でも葉の状態が安定しているように感じた」
  • 「果実の締まりが良い」
  • 「肥料を見直した影響をあまり感じなかった」
  • 「後半の樹勢が落ちない」

数字よりも、畑で“身体で分かる違い”。
科学的な裏付けと現場の実感が
静かにつながり始めている。

■ 最後に

化学肥料を減らせば生育が落ちる。
それがこれまでの常識だった。

しかし実際には、
肥料の量より 「植物が吸えるかどうか」 のほうが
収量を大きく左右している。

シリカは、
細胞壁、土の通気性、葉の働きといった
“生命力の基盤”に静かに作用する。

その基盤が整うことで、

生育の安定を考える視点が生まれてくる。

トマトの生育を支えるのは、肥料だけではない。
“吸える根”をつくる土台である。その土台を支える素材として、
シリカはこれからの栽培で、ますます価値を帯びていくのだろう。

目次