農家にとって“収量”と同じくらい重要なのが、
どれだけ秀品として出荷できるかという指標だ。
実際、同じ作付面積・同じ収量でも、
秀品率がたった10%変わるだけで、
年収が数十万円〜100万円以上変動することすらある。
形、色、張り、締まり、日持ち。

これら品質を決める多くの要素には、
実は共通している“ひとつの土台”がある。
それが 細胞の強さ だ。
そして近年、
この細胞レベルの強さを底上げする方法として
シリカ(ケイ素)を用いた土づくりが注目されている。
「肥料でも農薬でもないのに、なぜ品質が上がるのか?」
その答えは、植物内部で起こる“静かな構造変化”にある。
■ 秀品率は“細胞壁の強さ”で決まる
秀品として並ぶ野菜には、ひとつの共通点がある。
壊れにくい細胞構造を持っていること。
日本の園芸生理研究でも、
「細胞壁の密度が高い作物ほど、変形・傷み・色落ちが起きにくく、日持ちが良い」
と報告されている。
逆に細胞壁が弱いと、
- 果皮が柔らかく変形する
- 色落ちしやすい
- 表面が傷みやすい
- 水分が抜けて艶が落ちる
この“微細な劣化”が、静かに秀品率を下げていく。
ここに、シリカが深く関わる。
■ シリカは細胞壁を補強し
“壊れにくい作物”をつくる
国際分子科学誌(IJMS)など複数の研究では、
シリカは細胞壁に沈着し、セルロース・ペクチン層の構造を補強する
ことが明確に示されている。
細胞壁が補強されると、
- 果皮がしっかりする
- 葉が厚くなり色が濃くなる
- 傷みが広がりにくい
- 光や熱で細胞が壊れにくい
- 水分保持が安定する
これらはすべて、
秀品に求められる「見た目・張り・締まり」の基礎そのもの。
市場で判断される品質は、
実は収穫前の段階で“細胞レベル”により決まっている。

■ 根が安定すると、品質のブレが減る
秀品率の影に“根の健康あり”
秀品率が低い圃場では、
その背景に「根の弱り」が潜んでいることが多い。
根が止まる
→ 水・栄養の供給が乱れる
→ 果実・葉にムラが出る
この流れが、品質のバラつきを生む。
もみ殻由来のシリカが注目される理由のひとつは、
この“根の環境”を徹底的に安定させる点にある。
日本の土壌物理研究では、
- 団粒化を促す
- 通気性を改善
- 水分の“急な振れ幅”を抑える
- 過湿による根腐れリスクを低減
といった効果が確認されている。
さらに海外(CSIRO・WUR)でも、
シリカを吸収した根は高温・乾燥・過湿に強く、細胞壁の崩れが少ない
と報告されている。
根が強ければ、
品質が揃い、ムラが減り、秀品率は上がる。
■ 葉が強くなると
“秀品を育てる力”が一気に高まる
秀品率を上げるには、地上部の安定も欠かせない。
厚い葉、濃い色、倒れない外葉。
これらは光合成の安定を意味し、
花蕾・果実への栄養供給が途切れない。
シリカが細胞壁を補強すると、
- 葉は光・温度・乾燥の揺らぎに強くなる
- 色落ちやバテが出にくくなる
- 生育の乱れが減る
その結果、
- 花蕾の揃いが良い
- 果実の張りが続く
- 色が鮮やかに仕上がる
- 収穫後の艶・締まりが長く持つ
「秀品として求められる力」が養われる。

■ “見えない劣化”が減ると、秀品率は自然と上がる
秀品率を下げるのは、目に見える欠点だけではない。
もっと厄介なのは、畑で見逃されがちな“微細なダメージ”だ。
例)
- 強光で細胞が一瞬壊れる
- 乾燥→過湿の水分ショック
- 夜間の冷えによる葉の緩み
- 局所的な根の酸欠
- 微細な病原菌の侵入
シリカはこれらを
細胞・根・土の三方向から減らす。
その結果、秀品率は着実に上がる。
特別な技術や経験ではなく、
“構造的な強さ”で品質を安定させる方法だ。
■ 現場ではすでに“安定株の増加”という変化が出ている
シリカを取り入れた農家の声は驚くほど一致している。
「A品が明らかに増えた」
「等級落ちが減った」
「形が揃って扱いやすい」
「日持ちが違う」
「後半まで品質が落ちない」
これは、
細胞・根・葉の“安定度”が底上げされた証拠。
秀品率は運では上がらない。
しかし作物の構造そのものが変われば、確実に上がる。
■ 最後に
秀品率は、収量と同じくらい
農業経営の収益を左右する重要な指標だ。
シリカは、
- 細胞壁を強くし
- 根を守り
- 土を整え
- 葉の体力を引き上げ
作物の“構造的な品質”を底から支える。
その結果……
- 等級が上がる
- ロスが減る
- 売り値が安定する
- 年収が変わる
品質は運ではない。
つくり出すものだ。
その静かな支え手こそ、
シリカ(ケイ素)である。

